植物栄養素(ファイトケミカル)

植物性栄養素(ファイトケミカル)はその名の通り植物由来の栄養素で、様々な健康促進効果があると言われています。これらの栄養素は、ガンやその他疾患、老化などの初期段階で共通して起こる細胞の損傷を防ぐ働きがあると考えられています。

グレープフルーツおよびその100%ジュースには、カロテノイドやフラボノイドなど、数多くの植物性栄養素が含まれています。

 

カロテノイド

  • グレープフルーツに見られる赤やオレンジ、黄色などの色は、カロテノイドによるものです。βカロテン、リコピン、ルテイン、ゼアキサンチンなどがグレープフルーツに含まれる主なフラボノイドで、ルビーグレープフルーツには特に多く含まれています。1
  • βカロテンは体内でビタミンAに変換され、生殖や成長、免疫、視力の維持などに重要な役割を果たします。2,3
  • ルビーグレープフルーツには、トマトの赤みでもおなじみのリコピンが含まれています。リコピンの抗酸化作用はカロテノイドの中でも特に高いことが分かっています。4 また、一部研究ではリコピンが前立腺がんや肺がんなど、一部のがんのリスクを軽減させる可能性も示唆されています。4
  • カロテノイドは抗酸化作用があり、細胞間の情報伝達を促進し、免疫機構を補助する役割があります。一部研究では、特定の慢性疾患の予防にも役立つ可能性が示されています。3

柑橘類のカロテノイド含有量は、品種や栽培環境、熟度、収穫後の保存方法、加工法など、様々な要因に左右されます。

グレープフルーツでは、リコピンが含まれるルビー種のみがビタミンAの接種に寄与します。ルビーグレープフルーツ半分、もしくはコップ1杯(240mL)の100%ジュースで得られるビタミンAは、一日に必要な摂取量の約2~5%ほどになります。*

 

フラボノイド

  • グレープフルーツには、赤ワインに含まれるレスベラトロールや、緑茶のカテキンなどで知られる、フラボノイドの多くが含まれています。最も多く含まれるフラボノイドはナリンゲニンで、その次に多いのがヘスペリジンです。5
  • フラボノイドの中には、抗酸化作用や抗炎症作用、心機能保護作用などがあるものが確認されており、様々な疾病や、症状の予防に役立つと考えられている。6-11
  • 更年期を迎えた健康な女性を追った調査では、100%グレープフルーツジュースの接種と、動脈硬化の改善が関連付けられました。12 動脈硬化は老化とともに進行し、心臓発作や脳卒中などのリスクを増大させることが分かっています。この改善効果は、主にナリンゲニンによるものだと考えられています。

出典

  1. USDA National Nutrient Database for Standard Reference, Release 28 (slightly revised). US Department of Agriculture, Agricultural Research Service, Nutrient Data Laboratory; May 2016.https://ndb.nal.usda.gov/ndb
  2. Carotenoids, In: Dietary Reference Intakes for Vitamin C, Vitamin E, Selenium, and Carotenoids. Institute of Medicine. The National Academies Press, Washington, DC. 2000.
  3. Vitamin A, In: Dietary Reference Intakes. Institute of Medicine. The National Academies Press, Washington, DC. 2006.
  4. Linus Pauling Micronutrient Information Center. Oregon State University.http://lpi.oregonstate.edu/mic/dietary-factors/phytochemicals/carotenoids
  5. Bhagwat, Haytowitz. USDA Database for the Flavonoid Content of Selected Foods Release 3.2. In. Beltsville, MD: Unites States Department of Agriculture; 2015.
  6. Rangel-Huerta et al. J Nutr. 2015;145(8):1808-1816.
  7. Milenkovic et al. PLoS One. 2011;6(11):e26669.
  8. Morand et al. Am J Clin Nutr. 2011;93:73–80.
  9. Rendeiro et al. Br J Nutr. 2017;116(12):1999-2010.
  10. Napoleone et al. Thrombosis Research. 2013;132(2):288-292.
  11. Gorinstein et al. J Agric Food Chem. 2004;52(16):5215-5222.
  12. Habauzit et al. Am J Clin Nutr. 2015;102:66-74.